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「見ること」 と 「観ること」 [お出かけ]

夏季休暇を使って、2泊3日の家族旅行で山梨県の小淵沢に行ってきました。

ボクとコウタが楽しみにしていたのは、清里・萌木の村にあるお店で、野鳥や野生動物に関する雑貨/置物/絵画などを取り扱う Bird House のご主人による探鳥ガイドでした。
朝の6:30から約3時間、ガイドさんが運転する車で、牧草地と水辺を案内してもらいました。

夏鳥を見るのには期を逸していましたが、この時期のポイントを効率よく回ってもらえました。
おかげさまで、見てみたかったノビタキやホオアカ、タカの仲間のノスリ、この時期は地味な羽色で残念ですがオシドリなどを見ることができて満足しました。

鳥に関する様々な話を聞くことができたのも有意義でしたが、今回、案内してもらって良かったと思った一番の理由は他にあります。
それは、「見ること」 と 「観ること」 の違いに気付かせてくれたことです。

写真も好きなコウタは、写真が主目的というか、写真を撮ってしまうと、その鳥への関心が薄くなることは前から気になっていました。
ボク自身も、『1年で120種類の野鳥と出会える本』 などを読んで、知らず知らずのうちに、初めて見る鳥を増やしたいと思うようになって、見方が雑になっていたようです。
(この本自体は、どの時期に、どのような場所に行けば、どのような鳥に出会えるかを解説した良書だと思います)

1年で120種類の野鳥と出会える本 (BIRDER SPECIAL)

1年で120種類の野鳥と出会える本 (BIRDER SPECIAL)

  • 作者: 中野 泰敬
  • 出版社/メーカー: 文一総合出版
  • 発売日: 2005/05/10
  • メディア: 単行本

今回、ガイドをしてもらい、ボクは鳥のことを漠然と 「見て」 はいても、注意力をもって 「観て」 はいなかったことに気付きました。

電線に留まっているモズを見つけて、ガイドさんに 「気付いたことは?」 と聞かれました。
  ⇒ 言われてよく観ると、嘴にエサをくわえています。
次に、「自分で食べずにいるのはどうしてでしょう?」 と聞かれました。
  ⇒ ヒナに与えるため?
「そうですね、巣立ち前の雛がまだいるのでしょう。先ほど、留まっている下の藪に飛んで行くのが見えたので、あの辺りに巣があるのでしょう。では、あの親鳥はなぜ巣に行かないのでしょう?」
  ⇒ はて?
「それは、私達を警戒しているからです。もっと近づけば逃げるし、もっと離れれば巣に戻るという距離にいるからです。では、そろそろ離れてあげましょうか。」
ということで、数歩進んで振り返ると、既に電線にモズの姿はありませんでした。

という具合に、ガイドさんは、私達がちゃんと観察するよう促してくれました。
よく観察して、なぜそういう行動をとっているのか考えるということは、鳥に対する理解を深めるとともに、バードウォッチングの楽しみの幅を広げてくれるように感じました。

このことは、バードウォッチングに限ったことではないと思います。
漠然と 「見て」 分かったような気になっていても、意識的に 「観て」 いないと気付かないことは多いと思います。

そういえば、過日の昆虫教室(横須賀市 自然・人文博物館が主催)で、作成した標本のスケッチをした時もそうでした。
スケッチをするとなると、全体の形で捉えていたものを、細部まで観察する必要があります。
「触覚はこんな形をしていたんだ」、「脚はこんな構造だったんだ」などということに気付きました。
講師の方も、「絵が上手いかどうかは二の次で、スケッチをしようとして、ちゃんと観ることが大切なんです」 と言っていました。

今回の件、ボクにとっては、膝を打つほど合点がいくことだったのですが、コウタにも感じるところがあったのであれば幸いです。
鳥や昆虫の写真を撮るのは良いことだと思いますが、撮ることに夢中で、対象である鳥や昆虫のことをよく観ない( = 実は、あまり関心がない?)というようにはなって欲しくないので。

そのためには、良いガイド役も必要かと思います。
(自分自身の楽しみでもありますが)冬など季節を変えて再訪し、改めてガイドしてもらいたいと思う経験でした。
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てんちん

物事を注意深く観察するって大事ですよね。
うちの子、ポケモンの観察力は抜群なんですけどね^^;
by てんちん (2010-08-18 10:29) 

ファーザー

「見る」と「観る」の違いを、解説ではなく、問いかけることで気づかせていったところが、すごい(プロ)ですね。

いい話をありがとうございました。
by ファーザー (2010-08-18 19:56) 

makiwarikun

考えながら観察することは、論理的な思考力を育てるためにも凄く役立ちそうですね。なるほどです。
by makiwarikun (2010-08-18 22:04) 

momomo

今年は観察用にピーマンを育てているんですが、私は改めて気づくことがあって関心したことに、長男に気づいた?と聞いてみてもサッパリ。
いかに観ていないかがわかりました。
ヒックとドラゴンの映画をみた感想を聞いたら、ストーリーは大まかに話してくれるものの、オモシロさが伝わってことないというか。。
「観る」力を育てていきたいなと思いました。でも、難しいですね(><)

by momomo (2010-08-19 03:32) 

Shun

>てんちんさん
でも、好きなものじゃないと、注意深く見ようとはしませんよね。その時々の関心の持ちようで、ポケモンもありかなと。同じポケモンでも色違いがあるとか言われても、興味が薄い自分は 「よく気付くね」 と感心したりも。

>ファーザーさん
確かにプロはさすがと思わせるものがあります。
教育のプロ(教師)であるファーザーさんの子育てにも、さすがと思うことが多々あるように。

>makiwarikunさん
論理的な思考にも役立つように思いますし、その前段階として、想像力にも良いような気がしました。観察対象をよく見て、何をしているのか相手の立場で考え、妥当な仮説を得るために論理的に検討するといったプロセスがとれると理想かなと思います。

>momomoさん
確かに難しいですよね。大人だと周辺知識とかあるので、それらと観察で気付いたことが結びついて、「あ、なるほど」と思って楽しめたりもします。でも、子どもにはそれが少ないですからね。
表現力もそうなんでしょうね。面白いと思っても、それをどう伝えるかは、語彙や多様な表現、様々な経験とかがないと、うまくいかないように思います。そういえば、その昔、読書感想文がとっても苦手だったことを思い出しました。「作家が苦心して書き上げた作品の創意工夫の部分(感動させよう/不思議に思わせようetc としたこと)を、簡単に言葉で表現できるくらいなら、自分が作家になっている」なんて思ったり。
by Shun (2010-09-02 00:15) 

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